鳥籠ノ砂

籠原スナヲのブログ。本、映画、音楽の感想や考えたことなどをつらつらと。たまに告知もします。

2013-07-08から1日間の記事一覧

個人主義は今や保守的である? ――平野啓一郎『ドーン』感想

平野啓一郎『ドーン』(2009)は一言で言えば、個人主義と分人主義の対立と和解を描いた作品である。個人主義とは、私たちの精神に単一の「主体」を想定する人間観であり、分人主義とは、そのような「主体」を想定しない人間観である。前者の場合、表層…