2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧
スラヴォイ・ジジェク『否定的なもののもとへの滞留 ――カント、ヘーゲル、イデオロギー批判』(1993)は、カントからヘーゲルまでのドイツ観念論をラカン派精神分析の理論とともに解釈し、その解釈を現代のイデオロギー批判に適用したものである。当時の…
平野啓一郎『ドーン』(2009)は一言で言えば、個人主義と分人主義の対立と和解を描いた作品である。個人主義とは、私たちの精神に単一の「主体」を想定する人間観であり、分人主義とは、そのような「主体」を想定しない人間観である。前者の場合、表層…
國分功一郎『ドゥルーズの哲学原理』は、近年注目されている〈政治的ドゥルーズ〉の問題に真正面から答える書物だ。ドゥルーズの哲学には〈政治性〉があるのか、あるとすればそれはどのようなものなのか――この疑問を明らかにするため、國分はドゥルーズ哲学…