鳥籠ノ砂

籠原スナヲのブログ。本、映画、音楽の感想や考えたことなどをつらつらと。たまに告知もします。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

鏡像と自己の奇妙な関係 ――ジャック・ラカンの初期論文集『二人であることの病い』について

ジャック・ラカン『二人であることの病い』は、三つの症例報告と二つの論考から構成されている。ラカンは「症例エメ」と「パラノイア性犯罪の動機 ――パパン姉妹の犯罪」のなかで他者と自己の奇妙な関係について語り、のちにそれを「鏡像段階論」として整理し…

象徴交換の死、死の象徴交換 ――ジャン・ボードリヤール『象徴交換と死』について

ジャン・ボードリヤール『象徴交換と死』(1976)はタイトルが示すとおり、象徴交換の概念と死の概念について説明するものである。象徴交換とは、何らかの商品を現実的な物質として交換することではなく、言わば象徴的な記号として交換することを意味し…

虚実の逆説、あるいは反転と崩壊 ――じん『カゲロウプロジェクト』(『メカクシティアクターズ』)論

【MV】daze【Lyrics Ver.】 - YouTube http://www.nicovideo.jp/watch/sm18406343(チルドレンレコード) じん(=自然の敵P)のマルチメディアプロジェクト『カゲロウプロジェクト』は、物語前半において「虚構」と「現実」の逆説的な関係を提示したうえで…